ロシアの接近と光太夫の帰国に焦点 鈴鹿の記念館で特別展、資料40点展示 三重

【「ロシアの接近と光太夫の帰国」をテーマにした貴重な展示の数々=鈴鹿市若松中1丁目の大黒屋光太夫記念館で】

【鈴鹿】三重県鈴鹿市は18日、同市若松中一丁目の大黒屋光太夫記念館で、特別展「日本とロシアと光太夫 近くて遠いおとなりさん」を開き、光太夫の帰還前後に日本で出版されたロシア関連の資料、約40点を展示した。3月17日まで。先着500人に図録を無料配布する。

大黒屋光太夫(1751―1828年)は江戸時代に漂流し、約10年後の1792年に帰国した船頭。ロシアや西洋の体験者として、蘭学者などに大きな影響を与えた。

特別展は「ロシアの接近と光太夫の帰国」をテーマに、日露関係の出発点に光太夫が果たした役割とともに、遠い隣人であったロシアの接近が日本に与えた影響について紹介する。

同館初公開の資料は19点。現在の地図とは大きく異なる北海道を表す1785年刊行の「蝦夷全図」や、光太夫とともに漂流し帰国した磯吉からの聞き書きが付録として掲載された1847年写しの「環海異聞」など貴重な資料が並ぶ。

同市文化財課では「日本とロシアの関係を振り返るとともに、今を考えるきっかけになれば」と話した。

21日午前10時半からと、2月15日午後1時半から、同館展示室でそれぞれ約1時間、学芸員によるギャラリートークを開催する。参加無料、申し込み不要。