「言葉無くなる焼け野原」 能登地震支援派遣で報告 鈴鹿市職員

【輪島朝市の大規模火災現場で捜索活動をする消防職員ら・1月12日(鈴鹿市提供)】

【鈴鹿】三重県の鈴鹿市役所で16日、能登半島地震の支援報告会があり、これまでに市の派遣で支援活動に従事し、すでに帰庁した職員らが末松則子市長に支援状況や現地の様子などを報告した。

【末松市長に報告書を手渡す永井課長(右)=鈴鹿市役所で】

市からは2日以降、石川県宝達志水町や七尾市での給水活動、中能登町や穴水町での被災建築物応急危険度判定のほか、緊急消防援助隊として輪島朝市の大規模火災現場での捜索活動や輪島市での救急出動対応などにのべ40人を派遣した。16日現在は、そのうち15人が派遣先で活動中という。

報告会には、14日までに帰庁したのべ25人のうち、代表の計8人が参加。上下水道局の永井洋一課長が、末松市長に報告書を手渡した。

応急危険度判定は、被災建築家屋の倒壊の危険性などを外観で判断。建築指導課の川村裕之副参事は、4人が8―13日の計6日間で219棟を判定し、そのうち36%の79棟を「危険」と判定したと報告。「熊本地震など、過去の応急危険度判定時より被災建物が多かった」と話した。

県大隊の一員として輪島朝市の大規模火災現場で捜索活動をした中央消防署の吉川大介主幹は「情報が交錯する中、確認できていない場所の安否確認をした。焼け野原で言葉が無くなるような状態だった」と振り返った。

職員からの報告を聞き、末松市長は「一番厳しい状況の中での被災地入りに敬意を表する。無事に帰ってきていただいたことにほっとしている。今後支援は長期戦に入るが引き続き協力してほしい」と話した。