太陽光発電、1001人反対署名を提出 鈴鹿市に天王町自治会 三重

【末松市長(右)に現状を説明する明石会長代行(左)=鈴鹿市役所で】

【鈴鹿】三重県鈴鹿市の天王町自治会(菊田宜彦会長)は22日、同自治会地内の同市岸岡町に東京の事業者が進める太陽光発電施設の建設計画に反対する計1001人分の署名を市に提出した。署名では計画中止のほか、太陽光発電設備設置を規制する市単独の条例制定を求める。

建設計画があるのは3カ所の農地で計4515平方メートル。同自治会では太陽光パネルによる反射熱、動植物の生態環境、景観などの問題を危惧している。事業者から地域への説明がないとして、9月に市へ計画反対の要望書を提出した。

反対署名活動は10月下旬から回覧形式で実施。自治会内の572世帯のうち、403世帯の864人と近隣の137人が署名した。

来庁した明石孝利会長代行(68)は「自治会の7割以上が反対しており、建設反対が天王町の総意」と、末松則子市長に署名簿を手渡した。

署名簿を受け取った末松市長は「(国のガイドラインに基づき)頂いた意見は事業者に伝えるが、市が事業を止めることはできない。併せて自治会からも事業者に反対を伝える必要がある」と述べたほか、「条例の必要性は理解しており、来年度以降に策定する」との考えを示した。

建設予定地は現在、市農業委員会に農地転用申請中。審査は未定という。

そのほか、山中敏孝環境部長は「要望書の提出を受け、10月に事業者から聞き取りをした。事業者は『地元の理解を得えた上で進めたい』と話しており、双方の共通認識に食い違いがある印象を受けた」と話し、「改めて話し合いの場を持つのはどうか」と堤案。「地権者にも反対の意思を伝え、理解してもらうことも大事」と話した。

明石会長代行は「すでに電話で事業者に反対の意向は伝えたが、次は直接伝える」と話した。