2023年12月25日(月)

▼中国四国管区警察学校の指導部長を務める警視正が、制服も犯行の小道具として使って女性に性的暴行をするという、何を信用していいのか分からぬおどろおどろしい世の中だ。伊勢署の警部補が女性のスカート内を盗撮する目的で名前と職業を偽ってアパートの内覧を申し込んでも、笑い話で済んでいくのかどうか

▼いつぞや窃盗容疑で逮捕してみれば警察官で、余罪があったのは当然として、官舎にあった所有車を調べるとバールやグラインダー、バーナーなど窃盗用工具類が十数点あり、狙った先は捜査協力者など仕事柄、内情をよく知る家で、防犯カメラなどは避けていたというから油断も隙もならない

▼伊勢署の警部補も、用意周到さではひけをとらない。盗撮だけを目的に名古屋市での内覧に、偽名、偽住所で申し込み、休日を利用して出かけて、案内の不動産業者女性社員のスカート内を盗撮した。事前の下調べがなければできることではない

▼難波正樹本部長が「本県の警察官が逮捕されたことは誠に遺憾で、厳粛に受け止めている。県民の皆さまに深くおわび申し上げる」と陳謝した。逮捕した愛知県警の捜査結果を踏まえて、処分などを検討するという。別の捜査機関の案件だから身びいきなどと色眼鏡で見られることなどはなかろう。毅然たる態度を早急に見せてもいい

▼本人は「仕事などのストレスがたまっていた」と話しているという。仕事のストレスを法違反で発散されてはたまらないが、警察組織は何となくストレスがたまる職場とみられていないか

▼風通しのよい職場づくりも一考に値しよう。