補正予算など可決 三重県議会本会議、定例会閉会

【一般会計補正予算などを可決した本会議=県議会議事堂で】

三重県議会は21日の本会議で、職員の給与とボーナスを引き上げる条例案や知事ら特別職の期末手当を引き上げる条例案などの55議案を可決し、227日間の令和5年第2回定例会を閉会した。

職員の給与を引き上げる条例案は全会一致で可決。特別職と議員の期末手当を引き上げる条例案は稲森稔尚議員(草の根運動いが、3期、伊賀市選出)と吉田紋華議員(共産党、1期、津市選出)が反対した。

国の交付金などから約91億2200万円を減額する一般会計補正予算は全会一致で可決。新型コロナウイルスが5類に移行されたことを受け、感染防止対策を縮小したことを踏まえて予算を減額した。

請願では、保育士の処遇や保育制度の早急な改善を求める請願、持続可能なカキ養殖の実現に向けた支援を求める請願、私学助成の充実を求める請願などの5件について、いずれも全会一致で採択した。

多度大社(桑名市)の上げ馬神事(県無形民俗文化財)での動物虐待根絶を求める請願は、45対2の賛成多数で「継続審査」とした。多度大社側が示す予定の改善策を踏まえて改めて採決する見通し。

一方、政府が検討する介護保険利用料を2割負担する人の対象拡大に反対する請願は23対24の賛成少数で不採択に。新政みえ、草の根運動いが、共産党が請願に賛成、自民党、草莽、公明党が反対した。

自席のボタンで議案への賛否を投票する電子採決を導入するため、会議規則に定める採決の方法に「押しボタン式投票」を加える議案を全会一致で可決。来月18日に開会する令和6年定例会から導入する。

中森博文議長は定例会の閉会あいさつで、贈収賄事件で県職員が逮捕されたことや、相次ぐ事務処理ミスの発生に言及。「県民の信頼を損なう事態となった。再発防止に一丸となって取り組むように」と述べた。

一見勝之知事はあいさつで、一般会計補正予算などの3議案で記述を誤ったことについて「多大な迷惑をかけて深くおわびする」と陳謝。来年も子ども子育て支援を「最重要課題」として取り組む考えを示した。