鈴鹿市が補正予算案を撤回 市議会承認、改めた予算案可決 三重

【予算案の撤回について説明する末松市長=鈴鹿市役所で】

【鈴鹿】三重県の鈴鹿市議会12月定例議会は最終日の21日、本会議を再開。審議中の令和5年度一般会計補正予算案の1議案について、市は新年度に繰り越して使う繰越明許費として計上していた「玉垣保育所施設整備事業」の見直しを決めたとして、撤回を提案。異議なしで承認された。市議会事務局によると、予算案の撤回が承認されたのは初めてという。

議案撤回の承認を受け、市は同事業の繰越明許費を除いた内容で改めて補正予算案の1議案を上程し、起立多数で原案通り可決。そのほか、追加の2議案を含めた16議案を原案通り可決し、閉会した。

繰越明許費は年度内の予算ではないため、補正予算案の金額自体は変わらない。

同事業は、老朽化に伴う市立玉垣保育所と近隣の玉垣幼稚園の幼保一体化施設を整備する計画として6月補正予算で1626万1000円を計上して取り組みを進めてきた。

撤回したのは基本計画などを進めるための繰越明許費で、1626万1000円。

候補地の選定などの情報共有が議会や関係団体とうまく連携できていなかったとして、地域福祉委員会などで紛糾した。

併せて同日、私立保育連盟から提出された「玉垣保育所と玉垣幼稚園の幼保一元化施設の施設整備に係る基本計画および候補地の見直しを求める請願書」も全員起立で採択された。事業が白紙状態になったことから、すでに執行した分は3月の補正予算で取り消す予定。

追加の2議案では任期満了に伴う公平委員会委員に弁護士の川戸雄介氏(39)=津市川辺町=、教育委員会委員に皇學館大学教授の服部直美氏(59)=同市神戸8丁目=をそれぞれ充てた。任期はいずれも4年間。

議会閉会後、末松市長は「市民生活に影響があってはいけないので議案の撤回につながった。できるだけ早く子どもたちの保育環境を整えたい気持ちは強いので、関係団体との合意を積み上げていきたい」と話した。