北勢線とまちづくり考える いなべで勉強会 三重

【講師の原さん(後方)の話を聞く参加者=いなべ市北勢町阿下喜の阿下喜会館で】

【いなべ】三重県いなべ市の市民グループ「北勢線とまち育みを考える会(ASITA)」(安藤たみよ会長)が開く、地域の公共交通とまちづくりを考える勉強会が、13日夜で10回目を迎えた。

勉強会は昨年12月から始まった。講師は近畿日本鉄道元社員の原文人さん(62)。毎回、市民や沿線自治体の議員らが集まり、三岐鉄道北勢線の今後のあり方とまちづくりを考えている。

この日、会場の阿下喜会館(同市北勢町阿下喜)に集まったのは15人ほど。中には、愛知県や奈良県など県外からの参加者もいた。令和8年度には、東海環状自動車道が開通する。いなべ市が素通りされることのないよう、今回は観光を切り口としたまちづくりをテーマに、参加者が市の魅力を挙げたり、新たな観光コンテンツを考えた。

「土木遺産の北勢線の『ねじり橋』と『めがね橋』は貴重」「いなべには魅力的な店がある。北勢線とからめて、そうした店を回るイベントがあったらいい」「セメント工場の外観がかっこいい。うまくPRできたら面白いと思う」などの意見やアイデアが出た。

同市は、市外や県外からの移住者が増え、新しい店ができ、地域の活性化にもつながっている。ASITAの安藤会長(62)は「いなべは観光地ではないけれど、魅力的な場所がたくさんある。そうした小さな魅力を発信して、来訪者が移動しやすい環境を整えることで、市民にとってもより暮しやすい町になると思う」と話した。