少年ジャンプ元編集長が経験談 津高OB茨木氏が講演

【茨木氏(左)の話に聞き入る生徒=津市新町の県立津高図書館で】

【津】週刊少年ジャンプ8代目編集長で三重県立津高出身の茨木政彦氏(66)の講演会が12日、津市新町の同校であった。事前に申し込んだ生徒ら約130人が聴講。自身の高校時代や編集者としての豊富な経験を忌憚(きたん)なく語った。

茨木氏は同校から早稲田大学に進み集英社に入社。同誌の編集者から編集長などを経て現在は複数の関連会社役員を務める。

講演は本年度県の読書推進事業モデル校でリニューアルに取り組む図書館の企画。生徒の質問に答える形で、大学や出版社を選んだ経緯や編集者時代の思い出、人気漫画家のエピソードなど多岐にわたった。

茨木氏は編集者と編集長の違いについて「現場が一番力を持ってる。編集長の一番の仕事は責任を取ること」、人気が出る漫画の特徴は「結局誰も分かっていない。手数を出すこと」などと答えた。

近年のAI(人工知能)の台頭と漫画界の今後について「ここまで来ると戻れない。将来はAIの調教師とプロに二極化した上で小さなコンテンツメーカーがいっぱいできるかも」と推察した。

自身の高校時代にも触れ「630人中519番だったが何とかなった。誰も正解なんて分からない。高校時代は好きなことをやったらいい」と激励した。

歯切れの良いトークに、終了後はサインを求める生徒が列を作った。3年の菊池沙羅さん(18)は「ジャンプが好きなのでうれしい。話すのが上手でコミュ力が高いと思った」、2年の境悠良さん(16)は「もうちょいおとなしい人かと思ったらすごい面白かった。活躍している先輩がいて誇りに思う」と感想を話した。