真珠にまつわる書籍を題材に ミキモトの博物館館長・松月さんがエッセー集 三重

【新書の「図書室で真珠採り」を手にする松月さん=伊勢市役所で】

【伊勢】三重県鳥羽市のミキモト真珠島・真珠博物館館長の松月清郎さん(71)が、真珠にまつわる書籍を題材につづったエッセー集「図書室で真珠採り」を、伊勢市の出版社「月兎舎」から1日に発刊した。

松月さんは、真珠の歴史や美術工芸品を紹介する真珠博物館の学芸員として、長年企画展を運営。平成14年から館長を務める。

本書は、伊勢新聞社が発行する業界紙「真珠新聞」で、松月さんが令和元年から連載を続けるエッセーに加筆修正したものを中心に、未発表分と真珠島ホームページに掲載してきたブログの一部も盛り込み、一冊にまとめた。

松月さんが収集してきた真珠に関する歴史的文献や、小説「真珠夫人」、フランスの作家モーパッサンの「マドモワゼル・ペルル」など表題や内容に真珠が出てくる書籍を取り上げ、長年真珠に携わってきた松月さんならではの視点でつづったエッセー57編と、真珠にちなんだ食に関するブログ5編で構成している。タイトルには、図書室の棚の書籍から真珠を探し出す気分で楽しんでもらいたいと思いを込めた。

松月さんは「くだけた内容で親しみやすく、真珠に興味がなかった人も、真珠が好きな人も楽しめる一冊。エッセーを通じ、人と真珠の深い関わりを知ってほしい」と話している。

四六判280ページで、税込み2200円。県内の書店や月兎舎ホームページ、インターネットサイトなどで販売。