抜合や二刀之形を披露 亀山、心形刀流保存赤心会が演武見学会 三重

【二刀之形を披露する小林師範役(左)ら=亀山市本丸町の亀山演武場で】

【亀山】三重県無形文化財に指定されている「亀山藩御流儀心形刀流武芸形(おんりゅうぎしんぎょうとうりゅうぶげいかた)」を受け継ぐ「心形刀流保存赤心会」(小林強六代目師範役)は29日、亀山市本丸町の亀山演武場で「演武見学会」を開いた。

心形刀流は、江戸時代の初めに伊庭是水軒が創始した剣術の流派。心形刀流道場で免許皆伝を得た、山崎雪柳軒が亀山に帰藩し、亀山藩の剣術指南役に任命され、心形刀流の道場を「亀山演武場」と名付け、以来158年、現在まで途絶えることなく伝承されている。

市内外から訪れた19人が見学する中、小林師範役ら会員12人が、抜合(ぬきあい)や二刀之形(にとうのかた)や小太刀之形(こだちのかた)などを披露した。

この日は、演武の披露のほか、亀山宿語り部の会の豊田幸孝会長が、亀山宿や心形刀流武芸にまつわる歴史について解説した。

鷲尾敏美さん=鈴鹿市稲生町=は「初めて心形刀流の演武を拝見し、張り詰めた空気感が漂う中、いつの間にか息を凝らして見ていました」と感激していた。

小林師範役(84)は「当時からの教え『人を大切に、感謝する』を守り、伝承し続けます」と話していた。