高齢者の孤立解消へ 問題解決、ゲームで学ぶ 玉城町で民生・児童委員が研修会

【ボードゲームを通して高齢社会で起こる問題の解決過程を体験する参加者ら=玉城町勝田の保健福祉会館で(玉城町地域共生室提供)】

【度会郡】地域の人々が抱える社会課題解決の過程を体験できるボードゲームを通して、地域の支え合いに目を向けてもらおうと、三重県の玉城町民生委員児童委員協議会はこのほど、同町勝田の保健福祉会館で、超高齢社会体験ゲーム「コミュニティコーピング」を活用した研修会を開いた。

ゲームは、一般社団法人コレカラ・サポート(千葉県松戸市)が令和2年に開発。参加者が「自治会長」「カフェのマスター」「世話好きのおばさん」などの役を務め、高齢者にまつわるさまざまな社会的孤立を解決していくもの。ボードとカードを使い、6人ほどのグループで行う。

この日は、民生委員や児童委員ら34人が参加。最初はゲームのルールを理解するのに戸惑っていたが、町地域共生室の職員らの指導を受けながら、家族の介護や健康、人間関係などさまざまな問題について話し合い、解決の糸口を見つけていた。

委員からも「ゲームとはいえ、実際に地域で起こっていることばかりで悩ましい。1人では解決できない」「話したくない人もいるので聞き出す力も必要になる」など意見が出された。

同協議会の岩崎正会長は「人と人とのつながりやネットワークの大切さを知ることができた。これからもいろんなケースを学ぶために繰り返し体験することが大事」と話していた。