7600万円横領認める、元宮崎本店経理課長の初公判 懲役6年求刑 津地裁四日市

勤務していた老舗酒造会社から現金約7643万円を横領したとして、業務上横領の罪に問われた宮崎本店元経理課長の乙部泰毅被告(55)=四日市市赤堀新町=の初公判が25日、津地裁四日市支部(鵜飼祐充裁判官)であり、乙部被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。検察側は懲役6年を求刑し、即日結審した。判決は来月13日に言い渡される。

検察側は冒頭陳述で「平成4年に入社し、遅くとも同9年ごろから現金を着服して飲食費や衣服代に使っていた。発覚を免れるため、会計帳簿を粉飾していた」と述べた。

論告では「経理課長という立場を利用した、会社からの信頼を裏切る悪質な犯行。日常業務の中で生じた預かり金の存在を利用するなど、計画性と巧妙さも認められ、常習性も顕著」と指摘した。

弁護側は最終弁論で「ほぼ1人で経理業務を処理し、会社側の確認も足りていなかった。車や貴金属の売却などで、すでに約6千万円を弁償しており、自宅の売却も進めている」として情状酌量を求めた。

起訴状などによると、乙部被告は平成29年2月から令和2年12月にかけて、当時経理課長として勤務していた同社の口座から現金約7643万円を横領したとされている。