すし職人、江戸前の技伝授 伊勢調理製菓学校で特別授業 三重

【松田さん(右)に教わりおいせうしの握りずしに挑戦する学生=伊勢市河崎の伊勢調理製菓専門学校で】

【伊勢】三重県伊勢市河崎の伊勢調理製菓専門学校で20日、県産の牛肉「おいせうし」を使った握りずしや巻きずしを学ぶ特別授業が開かれ、すし職人の松田春喜さん(73)=津市=が学生らに手ほどきした。

おいせうしは、大紀町で肥育されている新ブランドの牛肉。松田さんは同校出身で、元東京大寿司(津市)の店主。すし文化の発信や後進の育成、地域食材の普及などに活動している。

この日は、調理師科の16人が参加し、松田さんがおいせうしをメインに、マグロやエビといった食材を使って江戸前ずしの技を伝授。しゃり(酢飯)づくりや握り方、食材の切り方など、丁寧に指導した。

おいせうしはサーロインや三角バラの部位を使い、肉の味わいを引き出すために軽くあぶったり焼いたりして、にんにくやわさび、大葉、梅肉と組み合わせて握りや巻きずしにした。

参加した岡村歩美さん(19)は「初めてで、しゃりがうまく握れず難しい。見るのとやるのでは全然違う。ネタの扱い方など勉強になった」と話していた。

松田さんは「おいせうしは、脂がすっきりして赤身のような味わい。食材を知り、実際に調理して学んでほしい」と話した。