豪雨多発、排水ポンプ車配備を 伊勢・鳥羽・志摩の3市、三重県に緊急提言書

【一見知事(手前)に提言書を手渡す3市の市長ら=県庁で】

線状降水帯などを原因とする豪雨災害が相次いで発生していることを受け、三重県の伊勢、鳥羽、志摩の3市は12日、排水設備の整備や河川に堆積した土砂の撤去などを求める緊急提言書を県に提出した。

伊勢志摩地域では6月2日、県内で観測史上初の線状降水帯が発生。五十鈴川が氾濫危険水域を超えた。伊勢市では住宅が浸水したほか、鳥羽市や志摩市でも冠水した道路が通行止めとなった。

緊急提言書は、現状では国が災害時に配置している排水ポンプ車を県として伊勢志摩地域に配備するよう要請。河川の氾濫を防ぐため、川底にたまった土砂や草を定期的に撤去するよう求めた。

また、伊勢市は山から流れ込んだ泥水によって伊勢神宮内宮の周辺が冠水したことを受け、砂防堰堤(えんてい)を整備するよう要請。志摩市は昨年の豪雨で氾濫した前川の対策工事を早急に完成させるよう求めた。

この日、3市の市長が県庁を訪れ、一見勝之知事に提言書を手渡した。鈴木健一伊勢市長は「豪雨災害は今後も増えることが想定される。浸水を最小限に抑えるために対策を進めてもらいたい」と述べた。

一見知事は「これから毎年のように豪雨は来ると思う」などと述べ、排水ポンプ車の配備に向けた準備を進めていると説明。河川に堆積した土砂の撤去は「引き続き国に要望する」と返答した。