神宮神田で「抜穂祭」 神職ら、稲刈り束ねる 三重

【稲を刈り取る作丁ら=伊勢市楠部町の神宮神田で】

【伊勢】伊勢市楠部町の神宮神田で4日、伊勢神宮の祭典で供える稲を刈り取る「抜穂祭(ぬいぼさい)」があった。

1200年以上前から続くとされる祭事で、毎年9月上旬に営まれる。この日は、久邇朝尊(くにあさたか)大宮司をはじめ、神宮関係者や耕作に携わる地元住民ら約80人が参列した。

神田の祭場で、神職が豊かな実りに感謝する祝詞を上げた後、白い装束に烏帽子(えぼし)姿の作丁(さくてい)らが田に入り、「忌鎌(いみがま)」と呼ばれる鎌で黄金色に実った稲を刈り取った。続いて、刈り取った稲から穂だけを一本ずつ丁寧に抜き取り、麻ひもで束ねて二束の「抜穂」にした。

神田は約3ヘクタールあり、うるち米など十数種類を栽培している。今後、順次稲刈りが進められ、10月の神嘗祭(かんなめさい)などで神前に供えられる。