入院患者の個人情報漏えい 三重県立こころの医療センター

三重県立こころの医療センター(津市城山1丁目)は1日、入院患者1人の個人情報を誤って外部の団体に提供したと発表した。事務作業のミスが原因。センターは提供した情報を回収したことなどから「さらなる流出の恐れはない」としている。

センターによると、誤って提供したのは、センターで入院している20代女性の氏名や性別、年齢、血液検査結果を記した書類。先月29日、伊勢市内の特別養護老人ホームに提供した。

本来はセンターを退院する80代女性のデータを提供するはずが、主治医が誤って20代女性のデータを印刷。看護師が書類の内容を確認せず封筒に入れ、センターを訪れた老人ホームの職員に渡した。

老人ホームの職員が翌30日、別人のデータが印刷されていることに気付いてセンターに連絡した。老人ホームは80代女性が通院する予定だった医療機関に、この書類をファクスで送信していた。

センターは女性2人に謝罪。老人ホームから書類を回収し、医療機関に書類の廃棄を依頼した。主治医と看護師はセンターの聞き取りに「正しいデータを提供したと思い込んでいた」と説明した。

病院事業庁県立病院課の中川耕次課長は「健康に関する情報は大事な個人情報で、漏えいを重く受け止めている」と陳謝。「書類を複数人で確認するなど、チェック体制を強化する」と話した。