次世代経営者育成塾が開講 多様な業種から経営者、幹部ら受講 三十三FG

【講演する宮﨑氏と聴講する受講生ら=四日市市西新地で】

【四日市】三十三銀行(渡辺三憲頭取)と三十三総研は23日、四日市市西新地の同行本店で地元中小企業の若手経営者を対象に第十期「次世代経営者育成塾」を開講した。来年3月21日まで全8回の講義を開催し、受講者は経営者として必要な実践的知識やスキルについて体系的に学ぶ。

幅広い業種の経営者や経営幹部20人が参加した。

渡辺頭取は「取り巻く環境は激変の渦中にあり、地政学リスクが高まり、原材料の高騰が続いているほか、国内では金利が上昇傾向にあり、企業業績にも影響を与えている。DX(デジタルトランスフォーメーション)による生産性向上が各企業の課題で、当行も注力しているが、本日の講演も参考にしてほしい」と開講のあいさつをして、「経営者として必要な知識を体系的に習得し、受講生同士の横のつながりも大切にしてほしい」とエールを送った。

鶴巻温泉元湯陣屋を経営する「陣屋」(神奈川県秦野市)女将(おかみ)の宮﨑知子代表が「経営者としての心構え」と題し講演。

宮﨑代表は独自開発したホテルシステム「陣屋コネクト」を活用したDX事業について説明し「経営改善には基幹システムが必要だが、既存のシステムでは経営改善方針の具現化は困難。システムを自社開発するしかないと考え、エンジニアを一人採用した」とした上で、「顧客満足を追求すると手間がかかる業務を少ない人数でこなすためIoT(物がインターネットにつながる仕組み)を活用した。観光業では地域が一体となって導入、推進する必要があり、地域共通のDXプラットホーム『里山コネクト』により、集客強化やサービス向上のためマーケティングデータを有効活用できるようにした」などと話し、受講生は熱心に聴講していた。