園児らお年寄りもてなす みどり保育園で月一“開店”レストラン 伊勢・三重

【エプロン姿で配膳する園児ら=伊勢市矢持町のみどり保育園で】

【伊勢】三重県伊勢市矢持町のみどり保育園で、地域のお年寄りを招き給食を食べてもらう「保育園レストラン」が月に一度開かれている。園児らが接客を担当し、食事の配膳をして“来店客”をもてなす。

市郊外の自然に囲まれた山間にある同園。高齢化、過疎化が進む町で、お年寄りに園での昼食を楽しんでもらおうと、2014年から保育園レストランの取り組みは始まった。廃校となった旧矢持小学校の木造校舎を活用した園舎の一室が、高齢者と園児が触れ合うレストランになる。新型コロナの影響で中止や縮小を余儀なくされていたが、4月から本格的に活動を再開。毎月、予約制10人限定で“開店”する。

18日は、町内や近隣地区のお年寄りのほか、卒園生の小学生ら11人が来店。三角巾にエプロン姿の年長児5人が、料理を慎重に各テーブルへ運び、すべての配膳が終わると、「どうぞ、ごゆっくり」と声をそろえた。

この日のメニューは、カラフルな具材がのった「色彩りそうめん」やカボチャの煮物など。参加者らは世間話に花を咲かせて味わった。食事の前には、園児の歌の披露や参加者の読み聞かせなどもあった。

同町在住の長岡はるよさん(81)は「遠くに住むひ孫にはなかなか会えないが、ここでひ孫のようなかわいい子どもたちに会える。毎月楽しみです」と笑顔。配膳を担当した辻結大君(6つ)は「おじいちゃん、おばあちゃんが来てくれるとうれしい。レストランの日が楽しみ」と話していた。

レストランは誰でも利用できる。次回は9月14日。参加費は350円。問い合わせは同園=電話0596(39)1330=へ。