贈賄側に執行猶予付判決 名張市の汚職事件で津地裁 三重

三重県名張市教委発注の営繕工事の随意契約受注で便宜を受けた見返りに元市職員の男(52)=収賄罪で有罪判決=に現金を供与した贈賄罪に問われた名張市百合が丘東、中嶋工業元代表中嶋孝一被告(62)の判決公判で、津地裁(西前征志裁判長)は24日、懲役10月、執行猶予3年(求刑・懲役10月)の判決を言い渡した。

西前裁判長は判決理由で、「他の業者に相見積もりを依頼したり自己の利益を確保できるよう2度の価格調整をし、下請業者に工事代金を水増し請求して原資を用意するなど犯行態様は巧妙かつ悪質。飲食など接待の見返りに公共工事の受注で便宜を受けることが常態化していた」と指摘。

一方で賄賂の金額が高額とまでは言えず、会社代表を退き再犯の可能性も低いとして執行猶予を認めた。

判決によると、中嶋被告は水道施設工事業などを扱う中嶋工業の代表取締役として令和4年12月、随意契約の見積もり業者を選定する立場にあった元名張市都市整備部営繕住宅室営繕担当室長の男に対し、市教委管理施設の改修工事受注への便宜を図った見返りに現金18万円を供与した。