津城絵図を比較検証 深見氏が講演「復元へ大きな手がかり」 三重

【津】津藩祖藤堂高虎を顕彰する「ときめき高虎会」(赤塚友男代表、会員40人)はこのほど、三重県津市大門の津センターパレスで歴史講演会を開いた。同会会員で津城や高虎に関する著書がある深見和正氏(62)=津市=が「津城に天守が存在した!」と題して2枚の絵図を比較検証した。

深見氏は、高虎が改修した時代の津城を描いた数少ない絵図として市所蔵の「津城下図」と近年発表された個人所蔵の「津城古圖(ず)」の2点を紹介し、本丸▽西の丸▽二の丸―などに分け丁寧に比較した。

「津城下図」では簡易な描写の本丸天守や内堀などが「津城古圖」では細部まで詳細に描かれているとして「幕府が出させた『正保城絵図』の下絵の可能性がある」と指摘した。

「津城古圖」では大天守の1階屋根に千鳥破風を設置し外壁が下見板張りであることから「(前城主の)富田信高が関ケ原の戦いの前哨戦の津城の戦い後に再建した望楼型の三重天守の可能性がある」と推察。「今後さらなる検証が必要で津城復元への大きな手がかりになる」と述べた。

同講演会は会員や一般から約50人が聴講。津市桜橋の上本哲郎さん(72)は「今まで見たことのない絵図の話でなかなか面白かった」と感想を話した。