彫刻とガラスが融合 津の田中さん、2人展へ意欲 名古屋で15日から

【出品予定の彫刻作品を紹介する田中さん=津市内で】

【津】三重県津市上浜町の彫刻家、田中厚好さん(61)が、15日から名古屋市中区のギャラリー「ガレリア・デ・アルテ」でイタリア在住の日本人ガラス作家、ユキーナ江袋さん(52)と2人展を開く。田中さんは「テーマは『再生』。2人の作品がいかに融合するかを見てほしい」と意欲を見せる。29日まで。

田中さんは名古屋芸術大彫刻科卒で平成21年度に県文化奨励賞を受賞。現在日展会員、日本彫刻会運営委員を務める。

江袋さんは20代でイタリアに渡りベネチアガラスの技術を習得。ムラーノ島に工房を構え日本の大手百貨店のイタリア展に毎回出展している。田中さんは令和元年に研修先のイタリアで偶然江袋さんと出会い、創作への姿勢に刺激を受け2人展を提案。異分野のコラボが実現する。

今展で田中さんは約30年にわたり取り組む「鶏(にわとり)」を題材にした大小のブロンズ彫刻約20点を出品する。制作の際に熱した金属が流れ落ちてできたパーツを作品に取り入れている。

江袋さんは制作途中で欠けるなどしたガラスを新たに生まれ変わらせた作品やアンティークパーツを使ったオブジェなど計20点を出品予定で「西洋と東洋のミックスした感覚を表現したい。ベネチアガラスの1000年の歴史を知ってほしい」と話す。

展示は午前10時―正午と午後1時―同5時で木・日曜は休廊。同所終了後ベネチアのアカデミア美術館に巡回するという。田中さんは「2人の作品の共通性を見つけて楽しんでほしい」と話している。問い合わせは同ギャラリー=電話052(972)8554=へ。