暴行監禁、男に懲役6年求刑 津地裁、28日に判決

鉄パイプやナイフを示して複数人で少年らに暴行を加え、車内に監禁して現金等を脅し取ろうとしたとして、監禁と強盗致傷、強盗未遂の罪に問われた松阪市久保町、自動車整備工南川泰斗被告(20)の裁判員裁判の論告求刑公判が21日、津地裁(西前征志裁判長)であり、検察側は懲役6年を求刑した。判決は28日に言い渡される。

検察側は論告で、「ナイフや鉄パイプを示して生命に強度な脅迫をして暴行を加えて現金を要求した執拗(しつよう)で危険かつ悪質な犯行。5千円の債権を放棄させ、少年らに傷害を加えて精神的苦痛を与えるなど結果は軽視できない」と指摘した。

弁護側は最終弁論で、「鉄パイプは脅しに使っただけで、ナイフも共犯者が切っ先を当てただけ。被告の関与は全体のごく一部にとどまる」としたうえで、「被害者側にも暴利で借金の返済を恐喝した落ち度があり、一方的な私利私欲の犯行と比べて強い非難には当たらない」などとして、執行猶予付き判決を求めた。

起訴状などによると、南川被告は知人の少年が被害者少年らに過大な金銭を要求されたことから、返済を免れさせると共に迷惑料名目で現金を奪おうと少年らと3人で犯行を計画。令和4年7月1日、津市内の土場で取り立てに訪れた少年ら3人を暴行し、最大全治10日間程度の軽傷を負わせた。また車内に監禁し、現金27万円と借金5千円の免除を約束させたが、通報により一部が未遂に終わったとしている。