千田皇學館大教授が講演、持続可能な観光地域づくりへ、明和町でプロジェクト 本紙政経懇話会

【講演する千田皇學館大教授=津市大門の市センターパレスホールで】

【津】伊勢新聞社の政経懇話会が21日、三重県津市大門の市センターパレスホールであり、千田良仁皇學館大現代日本社会学部教授が「地域文化資源を活用した持続可能な観光地域づくり」と題して講演した。千田氏は自身が関わる明和町の観光プロジェクトについて紹介し、「外部の人が関わることで地域の魅力を捉え直し、地元の人が誇れるような、持続可能な地域づくりを進めていきたい」と話した。

香川県出身の千田氏は一般社団法人明和観光商社代表理事も務め、同町で地域資源を活用した持続可能な観光地域づくりを進めている。

同町と皇學館大らが連携した産官学プロジェクトとして、地元産100%の日本酒をつくる「神都の祈りプロジェクト」も実施。仕込みの際に雅楽を聴かせるなど特徴的な酒造りを披露。その上で、「大学ではお酒の研究はしていないが、神職は養成している。年四回おまつりをして、祈りながらお酒をつくっている」と話した。

国史跡「斎宮跡」内で、神事などに使われる国産麻を栽培するプロジェクトの始動も紹介。「国産麻がほぼない中、麻は二酸化炭素の吸収量も多く、CO2削減にもつながる」と述べ、歴史文化の継承や環境対策も含めた生産拡大に意欲を示した。

千田氏は香川県さぬき市生まれ。民間シンクタンク研究員、東大農学生命科学研究科特任講師を経て現職。