2023年3月23日(木)

▼以前、障害者スポーツの記事を健常者スポーツの話題と同じスポーツ面に掲載したところ、予想以上に感激されてこちらが恐縮したことがある。障害者スポーツがまだ特別扱いされていた頃の話だ

▼第76回国民体育大会「三重とこわか国体」同様、新型コロナウイルスの感染拡大で中止に追い込まれた第21回全国障害者スポーツ大会「三重とこわか大会」だが、実施までに積み上げてきた取り組みが残したものは少なくない。障害者スポーツへの理解が県内でも進んだこともその一つ。今年2月にこの一年間の国内・国際スポーツ大会で活躍した県ゆかりの選手や指導者を集めて行われた三重県スポーツ表彰も、健常者アスリートと障害者アスリートが同じ舞台で表彰される形式が定着した

▼その一方で、障害者アスリートの活動環境が整ったとは言えず、県も新年度事業で相談窓口を設置する取り組みから始めるところだ。コロナ禍で幻に終わった両大会のレガシー(遺産)を後世に伝えるためにも「障害の有無にかかわらず住みやすい三重」への歩みを止めてはいけない。