大名の小紋柄、伊勢型紙に 鈴鹿で企画展 三重

【展示準備を進める大杉さん=鈴鹿市寺家3丁目の市伝統産業会館で】

【鈴鹿】三重県鈴鹿市の伊勢形紙協同組合(小林満理事長)は23日、同市寺家3丁目の市伝統産業会館でミニ企画展「大名と伊勢型紙」を開催。江戸時代に各大名が藩ごとに決めた小紋柄「定め小紋」の染め型15点などを展示する。26日まで。

五代将軍徳川綱吉の定め小紋「松葉柄」をはじめ、仙台藩伊達家の「行事」、薩摩藩島津家の「大小あられ」など14大名家の定め小紋の紹介と、それぞれの染め型となる伊勢型紙が並ぶ。型紙は昭和から平成にかけて彫られたもので、いずれも組合員の所蔵品。

そのほか、徳川家康の十男頼宣が初代藩主の紀州藩が使った「極鮫小紋柄」の裃(かみしも)など、関連資料の展示、26日午前10時―正午、午後1時―同3時は伊勢型紙の彫刻実演もある。

22日は会場設営があり、同組合で伊勢型紙の歴史などを調査研究する大杉淳さん(64)は「伊勢型紙の小紋柄は元々、武士の裃に使われていたという歴史を知ってもらうとともに、機械で再現できない繊細な熟練の技術を見てもらえれば」と話していた。