スピードスケート競技で三重健闘 冬季国体、成年3選手全員が入賞

【特別冬季国体スケート競技会で活躍した三重県成年スピード勢(右端から辻本一史選手、森本拓也監督兼選手、富田裕香選手)=2日】

青森県八戸市を中心に1月28日から開かれてきた特別国民体育大会冬季大会スケート、アイスホッケー競技会は5日閉幕した。三重県勢はスピードスケート競技で成年3選手全員が入賞を果たし、競技得点24点を獲得。スピードスケート単独の天皇杯(男女総合)順位も47都道府県中10位と健闘した。

2021年の三重とこわか国体開催決定を機に本県のスポーツ指導員として採用された森本拓也(28)=北海道出身=▽辻本一史(26)=同=▽富田裕香(25)=茨城県出身=の3選手。この3人に22年北京五輪スピード女子代表の小坂凛らを加えた総勢7人の選手団で、スピード競技単独で天皇杯6位につけた21年のぎふクリスタル国体(岐阜県)に迫る好成績を収めた。

今国体で初優勝した500メートル種目を中心に、今後も競技活動を続ける意向の辻本以外の2人は、当初昨年のいちご一会とちぎ国体冬季大会で競技生活から退く考えでいた。しかし富田は栃木大会のレース途中で転倒。森本は栃木大会直前で虫垂炎を発症しスタートラインに立つことすら出来ずに終えていた。不完全燃焼で終えた前回大会の〝リベンジ〟を懸けて、青森県が舞台の今年の大会に臨んでいた。

富田は1500メートルと3000メートルの成年女子2種目で入賞した。昨年入賞を逃した3000メートルは5位で「(前日の1500メートル決勝で未完了だった)責任先頭を完了した上の入賞。思い通りのレースはできた」。今後は郷里の茨城県水戸市で出身クラブのコーチを務める予定で「茨城や三重のようなスケートリンクのない県から全日本の大会に出る選手を出したい」と新しい夢を語った。

大会新記録が誕生した成年男子500メートル準決勝で上位2位に一歩届かず決勝進出を逃した森本。それでも最終レースの5―8位決定戦を制して「悔しさもあったが最後までしっかり滑り込めた」。日体大卒業後、三重県体育協会(現三重県スポーツ協会)所属になり、社会人3年目からは日本代表としても活動した。「三重県に拾ってもらって今の自分がある」と話し、W杯今季残り試合で「しっかりと良い記録を残したい」と話していた。