NPB入り目指し徳島へ 皇學館大・大野内野手、新たな挑戦

【四国IL徳島入団を前に練習を重ねる皇學館大の大野凌児=11日、伊勢市内で】

昨年の秋、東海地区大学野球連盟三重県リーグで8季連続優勝を果たした皇學館大(伊勢市)のリードオフマン、大野凌児内野手(4年・松阪商)=右投左打=が、特別合格枠で独立リーグ・四国アイランドリーグPlusの徳島インディゴソックスに入団する。NPB入りを目標に掲げ、10年連続でNPB選手を輩出する同チームで新しい挑戦を始める。

22年春の三重県リーグMVP選手。昨年初めて招集された三重県大学選抜の主将も務めた。身長165センチの体で県内の学生野球界を引っ張ってきた22歳は「1年で自分の全部を出し切る。持ち味は走塁なので、もっとレベルアップして年間40盗塁を目指したい」と抱負を話す。

【三重県大学選抜主将として高山市長旗・飛騨市長杯に出場した皇學館大・大野=2022年8月、岐阜県で】

最大の魅力は50メートル6秒0の脚力。大学1年春から公式戦に出場し、1番、二塁手で定位置を獲得すると、3年の春以降、リーグ盗塁王に2度輝いた。打撃の技術も高く、12盗塁をマークした21年春は打率4割4分0厘で、盗塁王と首位打者賞、ベストナインの個人三冠を達成した。

大学4年の春で野球をやめるつもりだったが関係者から声をかけられたこともあり翻意した。神宮大会4強の名城大(愛知)に惜敗し、2位で終えた昨年秋の東海地区・北陸・愛知三連盟王座決定戦以降5キロの増量に成功。打撃練習にも力を入れる。

皇學館大出身のNPB選手はまだいない。先輩も多く挑戦してきた独立リーグの世界の厳しさも分かっているが、野球を続けることを応援すると言ってくれた家族のためにも「小さくても何か光る点があれば(プロに)行ける、というところを見せたい」と話している。