三重県立大設置の判断、来年度に持ち越しへ 県「有識者への再聴取必要」

三重県が年度内を予定していた県立大設置の可否について判断する時期を、来年度に持ち越す見通しとなったことが16日、関係者への取材で分かった。設置の必要性について、再び有識者から意見を聞く必要があると判断したため。スケジュールの遅れや有識者への再聴取に対する議会からの批判は避けられそうにない。

県は令和3年6月、県立大設置の是非について議論するための有識者会議(6人)を設置。会議は4回にわたる議論を経て、昨年3月に「設置の必要性は一定ある」とする報告書をまとめていた。

報告書の内容などを踏まえ、県は県立大設置の可否に関する議論を続けるかどうかの議論に着手。当初のスケジュールでは、本年度内にも検討の「第2段階」に移行するかどうかを決める予定だった。

一方、県は判断の前段階で、県立大の整備費や運営費、卒業生の採用見込みを加味した「費用対効果」への意見を有識者から聞く必要があると判断した。有識者の選定や聴取の方法を検討するという。

県は月内にも開かれる県議会戦略企画雇用経済常任委で、この方針を表明する予定。常任委では「有識者は誰も責任を取らない」などと、県が有識者会議の意見を重視することへの懸念が上がっている。

戦略企画部は「前回の有識者会議とは別の観点で、改めて有識者の意見を聞きたい」と説明。設置の可否を判断する時期は「本年度内には難しい。少なくとも来年度中には判断したい」としている。