2023年1月15日(日)

▼県庁爆破予告メールの解析を国に依頼したとして一見勝之知事は会見で「最悪の事態を想定して対応しなければならない」。同感。だから、警察への連絡や事案の発表がメール受信の翌日だったことに「もっと早くすべきだった」と言ったのには少々驚いた

▼担当職員に対する苦言ということか。知事の知らぬところで一連の処理が進んだかのようである。「圧力鍋を利用した殺傷力の高い爆弾を複数仕掛けた。場所は三重県庁」などとするメールが届いた「11日午後4時20分ごろ」というのは微妙な時間帯。7日に台湾出張へ旅立った知事は11日に帰国している。受信時はどこにいたのか

▼留守中の重要案件はただちに報告されるというのが海外出張の常識だが、知事はいつ報告を受けたか。4日の首相参拝直前に外宮周辺で爆竹のような物が破裂し警備陣が緊張。佐野朋毅県警本部長は離任会見で「一行の日程に影響はなかったが重く受け止めている」

▼それから一週間後の爆破予告である。が、県危機管理課は翌日の12日に津署へ通報し各部局に連絡。管財課の職員が午後から緊急点検を実施した。「緊急」という言葉が滑稽に響く。危機管理課も11日午後4時半、庁内の県民に退庁を急がせてもよかった。いざという時にはものの役に立たないことを立証した形になった

▼ことは知事不在中の危機管理の問題だ。「最悪の事態想定」は国へのメール解析依頼も数日後でいいということになるまい。怠慢なのは職員で知事は緊張感をもっていると強調されても、まとまりのない組織だなあと感じるだけである。