殺人と死体遺棄認める 伊賀の男性殺害 津地裁初公判で被告2人 

令和2年10月、三重県伊賀市島ケ原の職業不詳宇都宮秀之さん=当時(46)=を殺害し、遺体を遺棄したとして、殺人と死体遺棄等の罪に問われた伊賀市服部町、配達員廣岡陸斗被告(29)と、韓国籍で住所不定、無職張誠根被告(43)の裁判員裁判初公判が13日、津地裁(四宮知彦裁判長)であり、両被告とも「間違いありません」と起訴内容を認めた。

検察側は冒頭陳述で、「被害者の下で大麻栽培等に従事していた廣岡被告が栽培をやめたいと申し出たところ暴行を受けて大金を要求され、別の共犯者に相談して犯行を指示された」と指摘。被害者を待ち伏せて頭を木製バットで殴って殺害し、遺体をレンタカーで運んで山中に埋めるなど、「集団で敢行した計画的犯行で態様は残虐」とした。

弁護側は、廣岡被告について「日常的な暴行を受けて借金を背負わされるなど精神的に追い込まれていた」と主張。張被告については「廣岡被告の境遇に同情を覚えて協力を決意した。具体的な計画は立てておらず従属的だった」とし、また両被告共に罪を自白して捜査に協力的だったとした。

起訴状などによると、両被告は別の共犯者と共謀して令和2年10月5日、伊賀市内で宇都宮さんの頭部を木製バットで複数回殴打して死亡させ、遺体を津市美杉町の山中に運んで遺棄したとされている。