住民が我が家の宝物披露 伊勢の四郷地区で展示

【住民らの「我が家の宝物」が並ぶ会場=伊勢市楠部町の四郷地区コミュニティセンターで】

【伊勢】三重県伊勢市楠部町の四郷地区コミュニティセンター地域交流室で、住民たちが家庭の自慢の品を披露する「我が家の宝物展」が開かれている。昭和の思い出の品や趣味の収集品などが並ぶ。31日まで。

地域住民に「歴史的な価値はなくても、大切にしてきた『宝』」の出品を呼びかけ、7人が出展した。

かつて地元観光バスの運転手だった70代男性は、プロ野球巨人軍で活躍した王貞治さんのサイン色紙を展示。昭和53年に担当した団体旅行のバスに王さんの母親が乗車していて、後日、母親から礼状とともにサインが送られてきたという。別の70代男性は、趣味で集めたフィルムカメラ20台以上を披露。そのほか、昭和初期の木製玩具や羽子板、同30年代の中学卒業アルバム、木彫りの仏像など、出展者の思い出話を添えて紹介している。

主催する運営委員会委員長代行の岡田満さん(69)は、作家三島由紀夫らが中心となり昭和33年に創刊された季刊文芸誌「聲」などを出品。学生時代、小説家を夢見て本を読みあさっていたという岡田さんは「思い出が詰まっていて、手放せない」という。「各家庭でも思い入れのある『宝物』を探し出し、物を大切にする気持ちや家族のコミュニケーションのきっかけにしてもらえたら」と話していた。