自然に囲まれながら仕事を 伊勢にコワーキング施設オープンへ 三重

【4月にオープン予定の棚田を活用したキャンプ場と坂本社長=伊勢市神薗町で】

【伊勢】三重県伊勢市神薗町に、キャンプ場を併設する自然に囲まれたコワーキング施設「神岳(かみだけ)テラス」ができた。ウェブ制作会社「UNICO(ユニコ)」(同市岩淵)が、耕作放棄の棚田を活用し、同町を中心とする沼木地区を盛り上げようと建設を進めてきた。9日にコワーキング施設がプレオープンし、4月からキャンプ場と併せて本格営業を始める予定だ。

【個室や会議室などがあるコワーキング施設=伊勢市神薗町で】

同社の坂本勝社長(40)は同町出身。地元で「かみだけ」と親しまれる神岳(かみがだけ)の山中で長年放置されてきた棚田を生かしたキャンプ場を造り、人の流出が進む同地区ににぎわいをつくりだそうと、4年ほど前から地元住民の協力も得ながら整備を進めてきた。そのさなか、コロナ禍でテレワークが普及したことで広まったコワーキング施設に注目し、キャンプ場と組み合わせることにした。事業には、国の事業再構築補助金を活用した。

施設は木造2階建て。1階はフリースペース、2階は個室8室とコンセントを設備したカウンター、会議室、棚田をイメージしたラウンジがある。風よけを兼ねた外観の装飾には、志摩市で使われていたカキ養殖筏の廃材200本ほどを活用している。キャンプ場は約5千平方メートルで、野営(10―15区画)とオートキャンプ(4区画)を準備中。仕事をした後、キャンプを楽しんでもらう。

坂本社長は「仕事をし、キャンプを楽しんでもらい、ここから鳥羽や志摩にも足を伸ばしてもらう流れをつくりたい。地元住民の雇用につながる仕組みもできれば」と話している。

施設の予約は、同社ホームページの問い合わせフォームから。