2022年11月10日(木)

▼県議会活動に興味を持ってもらうことなどを目的に「議会活動ベスト10」を選ぶ恒例の県民投票が始まり、23候補が発表されたが、どん尻とはいえ「SNS(交流サイト)の書き込みに関する正副議長声明」が入っていたのはいささか意外だった

▼話題性は申し分ないが、声明の柱の一つである議長による本人への厳重注意の文書について、前野和美議長は再三「一般に公開するつもりはない」と言ってきた。「情報公開請求すれば、内容は見ることができる」とまで言うのだからよほど嫌なのかと思ったら、そのことを含む声明は候補に入れた。内容を丁寧に説明する気はないが、議会活動を知る一助にしてもらいたい、というのはどういう論理構成か。議会の常識は県民の非常識にならぬか

▼文書公開は議会運営委でも声があがったが、「過去にも配布したとは聞いていない」と拒んだ。やはりSNS投稿で被害を受けた同性カップルが議員辞職を求める要望書を議長宛てに提出したが、前野議長は「過去に議長が個人から要望書を受け取った例がない」と言って直接の受け取りを避けた

▼旧統一教会関連団体との関係が取りざたされたころからか、前野議長に内向きの姿勢が目に付くようになった気がする。そもそも前例踏襲は公務員の特質で、対して政治家はそれを批判し、前例やルールを打破して、役人には対応困難な県民ニーズに応えるのが使命でもある。特に一年で辞任を明言しての議長は前例にないことを仕上げて実績を残そうとする傾向が強い

▼ことさら前例を強調する。変わり種であるには違いない。