2022年10月25日(火)

▼児童生徒のいじめ自殺と聞くと滋賀県大津市市立中2男子自殺事件が衝撃とともに浮かんでくる。共同通信論説委員会議で、同市立中の外部調査委員となった〝尾木ママ〟こと教育評論家の尾木直樹氏の話だ

▼学校で大勢の中学生に口々に「隠蔽(いんぺい)されないで」と声をかけられた。案内の教師に授業視察を申し込むと、自分たちは自殺した子どもも大事だが、在籍する大勢の生徒も大事だと断られた。のち委員会として正式に要請したが実質ゼロ回答で、それなら記者会見を開いて経緯を公表すると告げると即座に了承された―などだ

▼県立高2男子の自死事案で、県教委の諮問機関「いじめ対策審議会」が初会合を開いた。「いじめ対策審」といえば、平成30年の高1自殺事件を審査したがかえって遺族の不信を招き、設置しただけで7年間〝冬眠状態〟の県の「いじめ調査委員会」に再調査する異例の経過をたどり、結局訴訟へ発展させた。今度は大丈夫か

▼学校側が「いじめはなかった」と結論づけ、県教委が「重大事態」へとひっくり返したお決まりのコースだ。身内をかばう体質が随所に見られる学校・県教委グループである。それでも覆さざるを得なくなった結論に、いじめ対策審の尾高健太郎会長は「具体的ないじめの事実が出てきているわけではない」。ちょっと心配になるのである

▼法はいじめの被害者の保護を最優先にうたうが、現実は教室や学校、県教委などで孤立している。審議会も「公平」の名の下に〝少数派〟に追いやっていはしないか。被害者に寄り添うとは何か。審議会も考えねばならない。