大観小観 2022年6月17日(金)

▼児童虐待の相談件数が昨年度は7年ぶりに減少した。「長期的に見ると減少局面に入ったとは考えづらい」という三重県子育て支援課の見方はよしとして「関係機関との連携を強化し、未然防止と早期発見に努めたい」という十年一日の分析はいかがか。子ども条例の見直しについて「検討すると(鈴木英敬前知事は)答弁していたが、取り組まれていない」と県議会で指摘した杉本熊野議員の言葉が頭に浮かぶ

▼こども家庭庁発足が決まり、こども基本法が制定された。参院選を前に、国が施策に力を入れていることは昨年11月、鈴鹿児童相談所の一時保護解除直後に父親から暴行を受けた外国籍児童の虐待事件で「解除は適切」とコメントした一見勝之知事も、先の県議会の条例改正問題で「子どもを取り巻く状況は変わっている。当事者の意見も入れ、国の方向性も踏まえながら、改正を議論したい」

▼減少局面に入っていないのなら、対応策が出てきてもいいのではないか。最多記録を塗り替えてきたのは、警察の取り組みの変化が大きい。積極的に児相に通報するようになり、増加件数の大半を占めるようになった。「関係機関との連携」とはつまり警察頼りの側面が強い

▼それでは児相自身のスキルはどうかと言えば、先の一時保護解除後の暴行事件を見ても分かる。一見知事は正当性について、父親との約束と子どもが望んだことをあげた。失敗の教訓を条例改正での「当事者の意見も入れ」にどう生かすか

▼ロシアのプーチン大統領の高支持率について、恐怖が高じるとそうなるという分析がある。ご参考まで。