2022年5月14日(土)

▼一見勝之三重県知事の話を特別聞きたいと思うことは少ないが、今回は数少ないケースと言えようか。県の競技力向上対策本部が鈴鹿ポイントゲッターズを強化チームから外した。競技力向上対策課によると、今年も活躍を期待していたが、日本サッカー協会(JFA)から懲罰処分を受けたことで県内競技団体と協議し「総合的に判断」して見送ったという

▼JFA処分に対し、一見知事は「県有地を貸すことの公益性を損なうほどにはならない」と述べ、鈴鹿ポイントゲッターズの運営会社などが県営公園「鈴鹿青少年の森」でのスタジアム建設の開発許可や使用料免除の方針に変更がないことを示唆した。その一方で知事が本部長の県競技力向上対策本部は「総合的判断」で強化チームから外した。知事の舌が何枚あるか、ちょっと口の中をのぞいて数えてみたい気持ちがする

▼病人から布団をはいで持って行くと陰口をきかれたのは昔の税務吏員だが、戦後のたとえ話でも、税法の建前では盗っ人の稼いだ金にも課税はされるといわれた。悪徳商法・豊田商事事件では、国に収められた税金が被害者への救済に回された

▼スタジアムを建設する分には大概のことには目をつぶるが、公金を交付するについては、閉じてばかりもいられないということか。県内競技団体の方が、スポーツ精神のなんたるかを知り抜いていたということか。県の判断が公平・公正とはまた別の基準があることを改めて公にしたとも言える

▼6月のJFA役員会でどんな決定がでるにしろ、それに対して出るであろう知事コメントが楽しみになった。