2022年5月12日(木)

▼三重県内の旅行代金を割り引く「みえ得トラベルクーポン」の対象を県民限定から中部や関西など11県に拡大する「地域ブロック割」を予定通り開始する段取り。まずはめでたい。「これまで観光業界は苦しい思いをしてきた。他県の方々も割引を使って県内旅行を楽しんでもらいたい」と、上機嫌な一見勝之知事の笑顔が見えるようだ

▼13日から開始だから、これはむろん今回の「地域ブロック割」の話ではない。9日からの県民割だが、これまでも鳥羽市内のホテルに泊まり歩いたり、日帰りツアーに参加した自称〝県民割スペシャリスト〟の友人が、クーポンを取得してから後のホテル予約にこぎつけるまで悪戦苦闘していた

▼介在する旅行業者の住所に行っても事務所が見当たらない。電話もなかなか通じず、ようやく出たら事務所は無人で電話予約専門という。コースの内容も見られず、別の業者へ。50人ほど並んでいて、その日は45人までで、3件目へ。受け付けは14日からと言われ、4件目へ。午前中のみの受け付けだった

▼翌日、気合いを入れて長蛇の業者の前に始業40分前に並んだが、すでに先客が大勢いて予約順位が20番目。出直して昼にようやく予約完了。予約は1人1件だから、中高年の友人らに頼まれた分のため、しばらく通うことになるとげっそり

▼中身を確認せずにネットの操作だけに徹したら、予約は簡単なのだろう。14日からはさらに混乱しそうだが、要は「大型連休が終わると減ってしまう観光客」(一見知事)への閑散期対策だ。旅情にまで気を回してはいられないか。