2022年2月19日(土)

▼セコい、と言っては失礼に過ぎる。堅実、と言っては新味なしと誤解されないか。本紙の三重県予算連載企画で、初回が「県有施設LED(発光ダイオード)化」、2回が「図書館購入費増も全国最低レベル」。やれやれ。3回が「観光5割増の躍進」で愁眉を開く思いがしたが「南部活性化には陰り」と続く

▼県有施設だからあまり県民には関係なさそうなLED化だが、県津庁舎の駐車場の照明をLED化したのは6、7年前だ。太陽光を電源とし「明るくなった。電気代もいらない」と警備員が喜んでいたが、6個ほどあったLEDが、今や点灯しているのは1個だけ。効果の検証を担当者が渋るのは、よくない結果への懸念か

▼財政難で切り詰められてきた図書購入費がちょっぴり増えたらしい。博物館建設の余波を受けて切り詰められたのは美術館経費だった。「まがりなりにも運営ができているのは岡田文化財団のおかげ」と館員らが嘆いていた

▼「観光5割増」も「南部活性化」は減少で、南部地域活性化局設置から10年。予算は半減強らしい。北主南従という伝統的地域格差の中で奮闘した歴代局長の顔が浮かぶが、もはや企画を編み出す気力もあるまい

▼「観光5割増」も、観光局が要求したわけでなく、一見勝之知事が国交省の外局・観光庁をモデルにした〝前進〟予算らしい。「ありがたいが、強いプレッシャー」と幹部。昔国から出向していた総務部長が養豚事業で担当部の要求額の倍を査定し、別件で部長同士が大げんかになった

▼知事相手に「偉そうに」と反発する骨のある職員など、いはしまいが。