2021年10月31日(日)

▼衆院選の投開票日である。三重県伊勢市は市議選、紀北町は町長選が同日投開票となる

▼衆院選の期日前投票が順調で、前回選の同時期比で約2割増。最終的な投票率には影響しないとの見方もある。期日前投票が普及したことに加え、今回は新型コロナウイルス対策で密を避けた可能性もある。低迷続く投票率をアップすることができるかどうか

▼衆院選が政権選択選挙であることは岸田文雄首相の言う通りだが、解散から投開票までの17日間は、現憲法下で最短の日程。選択に必要な争点をじっくり有権者に示しそうという姿勢はない。新聞はあの手この手で問題点、争点を提示しているが、どこまで浸透しているか。テレビは自民党総裁選の大騒ぎほどでもない

▼本紙が伝える焦点は「自民が議席の優位を保てるか、野党が巻き返せるか」。中央での論戦はともかく、地方で繰り返される選挙戦での有権者の関心はそれに尽きよう。その関心の強弱で、投票行動は左右される。格差が広がれば広がるほど、投票意欲がそがれることのはやむを得ない

▼「自分一人が投票するかどうかで大勢は変わらない」という一種の諦めの心境である。繰り返すほどに政治そのものへの関心が薄れていく。日本全体も下降局面にある。東京五輪も、高度成長期途上だった前回東京五輪ほどの活力を生む力はない。岸田首相は先の所信表明で、歴代首相と異なり「改革」の言葉を一度も使わなかった。熱気は伝わってこない

▼「寝ていてくれれば」など、低投票率を期待する政治家の発言もある。知らぬ間に愚民にされているのかもしれない。