2021年9月6日(月)

▼選挙で最も嫌われるのは選挙カーから大音量で流れてくる候補者名の連呼なのは昔も今も変わらない。3回以上の連呼は取り締まり対象というが、厳格に守られているとは思えないし、何をもって3回連呼とするかもあいまい。知事選挙も運動期間の折り返し点を過ぎたが、今回は選挙カーそのものを目にしない。選挙区の広さか。コロナ禍効果もあるのかもしれない

▼できるだけ「密」をつくるのがこれまでの選挙戦術だが、個人演説会や決起集会は取りやめで、代わる街頭演説も「動員」は自粛し、参加を控えるよう促しているという。立ち止まって演説を聞く有権者はまばら。目の前を車だけが通り過ぎているという様子がコロナ警戒を物語るか、県民の関心の薄さを反映しているか

▼期日前投票が前回選の約4倍というのも、選挙への関心と結びつきそうにない。期日前投票が好調で、実際は案外という例はいくらでもある。各陣営とも盛り上がりへ打つ手がなく、旧態依然の選挙活動からどう脱皮を図るかは、残された運動期間の最大のテーマということか

▼ネットや電話戦術への傾斜が浮かぶが、リモートの遅れは企業でも学校でも指摘された。選挙活動だけが先行しているということもあるまい。とすれば、選挙の原点に立ち返るのはどうか。県民の最大関心事、ためになる政策で論戦を戦わせることである。むろん今ならコロナ対策。現状の施策の欠点や改善点を指摘し、斬新な、県民の納得する構想を提示する

▼できなければ、誰がなってもおんなじさという県政離れを促進して、立候補の動機も問われる。