2021年9月4日(土)

▼バレンタインデーのお返しの市長のチョコレートは問題なく、就任祝いの花束の返礼で菓子を贈った市議会議長は公選法違反(寄付行為)容疑で書類送検された。法解釈は難しい。ハムも贈ったのが市長と議長が塀の内と外に分かれた決め手だったのかもしれない

▼贈り先は補助金詐欺で有罪判決を受けた元自治会長。津市は再発防止策として前葉泰幸市長の肝いりで「内部統制室」を設け、室長に現職警察官を、職員に警察OBを受け入れた。RDF(ごみ固形燃料)施設爆発事件で、警察OBの桑名市消防本部長が無罪放免となったことを連想させる

▼公職者の寄付行為については、伊藤作一県議会議長が県選管に問い合わせた話がある。昭和61年の衆参同日選挙で、選挙事務所に陣中見舞いに行くことについて、回答は「酒類などの持参は遠慮願いたい」

▼「何とも格好つかなくて」とぼやいていた。一升瓶持参が慣例の時代。少し前までは、議長選挙で牛肉が届いたなどの話が議員控室でおおっぴらに語られ、警察の捜査情報に笑ったり、青くなったりしていた

▼津市の議長は、現金での返礼アドバイスを断ったというが、市長のチョコを参考にしたか。ハムは余計だった。北川正恭氏の知事選三選不出馬もそうだったが、唐突感のある公職への立候補断念に付きまとうのが警察からの警告説だ

▼出馬すれば立件するが、出馬しなければ容疑は成立しないという説。真相は闇の中のためうわさがうわさを呼ぶが、津市と議会の最高責任者の明暗も、公職者と警察との伏魔殿説をかきたてることになるかもしれない。