2021年7月22日(木)

▼本当に怖いのは民事裁判だ―という通説を、補助金詐取の詐欺罪で公判中の津市の元自治会長はかみしめているのではないか。ともに逮捕された〝従犯格〟の塗装業者が拘束中なのに元自治会長が早々保釈されたのはむろん検察の言いなりに容疑を認めたからに違いないが、その結果、散々便宜を図ってくれて仲間のようだった津市から3700万円もの損害賠償請求裁判を起こされた

▼6月にそれまで請求されていた約1060万円を支払って、五日後にめでたく保釈になったのもつかの間、不当補助金なるものの請求がさみだれ式に追いかけてきて、総額5千万円弱。まだまだ続く気配で、津簡裁に異議を申し立てたのはたまりかねてということだろう

▼逮捕前、元自治会長は疑惑を否定し、市職員が「そんたくしてだろう」と地域紙に語っていたが、刑事裁判で容疑を認めた以上、民事でその主張が通ることは難しかろう。津市職員らの関わりが裁判で明らかになることは難しくなったということでもある

▼その中で、市顧問弁護士らが調査報告で〝諸悪の根源〟みたいに決めつけられ逮捕された元人権担当理事の前中央市民館長が、塗装業者に続き容疑を否認。元自治会長が市への報告に利用することを承知で虚偽の写真などを準備したとされるが「補助金をだましとる考え」はなかったという

▼だましとったとされる側と、だましとられたと言ってる側の主張が総額を含め大きく食い違ったことになる。ほとんど一体と見なされていた市側と自治会側との対立は、はたから見れば、これも仲間割れの一種と言えようか。