2021年3月19日(金)

▼県職員の時間外労働が最も多いのは、保健所の職員を含む医療保健部で371時間。500時間を超える「超長時間勤務者」も同部が最も多く、前年度より66人多い93人とすさまじい。県職員労働組合と県幹部との中央労使協働委員会で、県職労が全庁的な支援によって平準化させるよう求めた。そうはなっていないということだろう

▼新型コロナウイルス感染症の拡大で保健所職員の過剰労働は誰もが懸念し、予測していた。昨年3月の同委員会で鈴木英敬知事は「昼夜を徹して対応いただき感謝する」とあいさつしたのは、その証左でもあろう。同12月の県議会で勤務状態を問われ、紀平勉総務部長は「人事異動や採用の前倒し、併任などで全庁的にカバーする体制を取っている」

▼「現実味と実効性のある対策を進めてほしい」という県職労委員長の訴えは、そんな答弁を真っ向否定してはいないか。「高い使命感を持って奮闘している」とした上で、同委員長は「平準化に向けた議論が必要」。まず、それが実効性ある対策の第一歩だと指摘しているのなら「全庁的にカバーする体制」が画餅に見えてくる

▼人事異動や採用の前倒し、併任―は小手先過ぎて「全庁的体制の構築」というにはカマキリのオノのような気もする。こういう時こそ、部長より格上とされながら数年前からその役割は終えたとの声もある危機管理総括監の出番で、全庁に号令をかけるのに最適なポストだが、新型コロナウイルス感染症対策でも、ほとんどその名を見ない

▼次期副知事の大事な宝だから持ち腐れ、ではなく温存?