2021年3月14日(日)

▼「副知事待ちポスト」というのは昔からあった。田川県政時代は企業庁長がそうで、のち、自治省(当時)からの出向者に就かせたら不評だった。事業官庁であり、地方自治の実務を学ぶには不適というのである。事務所が県庁前の勤労者福祉会館のこともあり、少し離れてにらんでいる趣があった

▼野呂県政では2代続いて教育長から起用されたが、「待機」というより「昇格コース」のニュアンスだった。「抜てき人事」や「女性登用」など、時代が求める人事があるが、その都度適材がいるわけではない。特定の人材がその象徴としてポストを渡り歩いていくのである

▼県は新年度の人事体制で服部浩危機管理統括監を副知事に充てる案を議会に報告した。3代続く危機管理統括監からの起用でいずれも定年延長させていた。既定路線化し、インパクトはない。鈴木英敬知事が人事の目的の一つに掲げる「組織の活性化」に効果があるか

▼人事の「直近の課題」として知事は昨年3月、構造的にもっとも多い50代が抜けた後を「どうしたらいいか」をあげていた。今回の内示では、部長は定年まで残り2年ばかりで、1年もいる。就任で「一丁上がり」の感があり、課題が着実に進んでいるのかどうか

▼かつては2年で一仕事が職員の認識で、その評価で次の人事が決まると信じていた。特に部長はそうで、1年で準備し、1年で成果を問う。北川県政当時、3年続いて1年ごとに飛ばされた部長(級)がいて「やろうとしたこともあったのだが」とつぶやいて県を去った

▼本人より他職員を驚がくさせたことである。