2020年12月30日(水)

▼新型コロナウイルス感染者相次ぐ三重大が、規範に反した感染者を「処分」すると県の聞き取りに回答し、物議を醸している。明らかにしたのは県で、県が求めたわけではなく「処分を示唆する対応は聞いたことがない」と人ごとみたいなこと言っている。説明を黙って聞いていたのか

▼新型コロナは誰もが感染の可能性がある。感染したことで誹謗中傷や差別があってはならない、というのが鈴木英敬知事の日ごろの呼びかけである。いわば県トップによる県のコロナ対策の大方針に、三重大は真っ向から違背した格好なのだから

▼聞き取りは感染者が発生した事業所に対応を尋ねてきた一環らしい。尋ねることが仕事で、その内容までは関知しないということか。県らしくはある。一方の三重大。「学内で感染者が相次いで迷惑を掛けている状況」のため、しっかり状況を見極めてもらうとの思いからで、県への「伝え方が適切ではなかった」。責任は「伝え方」にあり。こちらも、三重大らしい

▼今年は三重大を巡る話題は多かった。大半がコロナ関連で、医学部学生らの関西方面の旅行で県内初のクラスター(感染者集団)が発生した。もっとも県の発表は2事例目。1事例目が見当たらないだけだ。「医学部だけに根絶を」と鈴木知事が力説したのもむなしく、新たに大学病院で発生。さらに11月、学生らの食事会からクラスターが

▼不祥事にフタをしがちな三重大も、さすがにいらいらが募ったか。ストレスが学生に向けられたのかもしれない。とすれば象牙の塔も虐待に走る家庭も、変わぬコロナ禍ではある。