大観小観 2020年12月22日(火)

▼全国知事会が観光支援事業「GoToトラベル」の停止・再開の運用方針を明らかにするよう国への緊急提言をまとめたテレビ会議で、鈴木英敬知事は特に発言はなかったらしい。会議後に知事や県から内容の詳細が提供されるが、20日の会議の分はなかったようだ

▼会議は、唐突な一時停止への批判や遅れの是非、再開を巡り全国一斉か個別かなど、多彩な主張が繰り広げたというが、鈴木知事がどのような意見だったか。「GoToトラベル」が感染要因である証拠は「今のところない」と、厚労省の新型コロナ専門家の見解を換骨奪胎継続に執念を燃やしていた菅義偉首相が内閣支持率急落で方針変更した

▼「キャンペーンに起因して感染が拡大しているというエビデンス(根拠)はない」としていた鈴木知事も、宿泊料金を割り引く「みえ得トラベルクーポン」の利用を28日から来月11日まで控えるよう呼び掛けた。県境をまたぐ移動の自粛も求めている。国の方針変更に何らかの意見ないのか

▼全国知事会で、知事は提言の内容に賛同した一人とも報じられている。地方創生対策本部長として感染拡大防止と地域振興のはざまで、どう進路を定めるか、率先して意見集約を図る立場でもあろう。発言内容について、これまで通り知事あるいは県からの詳細な情報を聞きたかった

▼コロナ禍で、国、地方のいずれもが、専門家でさえ対策は手探りの状態である。試行錯誤に満ちている。正解は確定していない。例え誤りや勘違いがあったとしても、その時々の誠実な情報提供が県民の無用な不安や混乱を防ぐ。