2020年12月8日(火)

▼県の資料に片仮名が多いと議会から指摘され「新しいワードや考え方を広めることも大切」と福永和伸戦略企画部長が例示した中で「ワーケーション」が分からなかったが、「ワーク(仕事)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせた造語で、伊勢、鳥羽、志摩各市など観光地では新しい生活様式の一つとして認知度を広めているという(本紙『まる見えリポート』)

▼勤務先を離れた観光地やリゾート地でリモートを活用して働く概念で、コロナ禍の日本でも注目されてきたらしい。長期滞在型の休暇を楽しむ時代になると国が主導した昭和62年のリゾート法制定前夜を思わせるが、国中が熱病に取りつかれたような当時に比べ、一部自治体や民間主導であり、制度設計や費用負担などの課題は多いという。県が「考え方を広める」チャンスではある

▼伊勢市は文化・芸術分野の「クリエイター」を市内宿泊施設に招待する「クリエイターズ・ワーケーション」事業を始めて、全国47都道府県から1271人もの応募があった。最大13泊分全額負担。1人5万円の支援金も支給という内容で、条件は「滞在記」を市のマガジンに掲載するだけ

▼クリエイターでなかったのが残念な思いだが、11月末現在24組が利用。地元専門学校との料理を通じた交流やSNS(会員制交流サイト)でイラスト公開などの活動を確認したという

▼市のホームページで確認した「滞在記」は2件だったが、クリエイターの有料ページにつながる混乱があったという。無から有を生み出すのはお手の物ということだろう。