2020年7月24日(金)

▼変われば変わるもの、である。東京の新型コロナウイルス感染者増は誰でも知っているが、西日本各県で大阪発の感染者確認が広がっている。三重県でも22日、大阪を往来する伊賀市の学生が感染したが、鈴木英敬知事が同日、慎重な訪問を名指しで呼びかけたのは都心部だけだった

▼4日に慎重な東京訪問を呼びかけた時も「注意喚起」の位置づけだとして、政府が緊急事態宣言を出していない以上、同宣言中の「移動自粛」とは異なるという見解。同宣言解除以降は、県内感染者の発表は担当部に委ねたとも言い、伊賀市の感染者には触れない

▼宣言前は、全国の自治体に先駆けて海外渡航自粛を呼びかけ、国が県を宣言対象外とした時は独自の「感染拡大阻止緊急宣言」を発令した。宣言解除後は「東京都が移動自粛を求めず、政府も緊急事態宣言を出していない中で、まずは県民に注意してもらう」

▼大阪だけでなく、愛知も急増。奈良も過去最多で、滋賀も増えている。四日市市のショッピングセンター店員が感染したが、県の発表にないのは、住所が愛知県だからということか。愛知、大阪、奈良など対象の「みえ旅プレミアム旅行券」の地域に仕切り直しはなく、滋賀、京都、兵庫の3府県も加える方向

▼「移動は立ち止まって考えてほしい」など、注意表現が文学的だ。「県民の安全安心が第一」とどう整合性をとるか。理屈が難しければ文学で行け―。状況は、県のモニタリング指標で「措置を強化する段階にはない」

▼未知のウイルス相手のモニタリング指標が最新情報を加えず信頼できるものかどうか。