2020年5月2日(土)

▼上を見れば切りがない。下を見れば切りがない―ということか。3月の条例可決で、四日市市の工場緑地面積率は高い設定の川崎市と低い岐阜市などとの中間の10%にした。四日市公害を契機に制定された工場立地法に基づく規定だが、県が所管の段階で5%緩和し、15%に引き下げられていた

▼「公害の歴史を踏まえ、教訓を市内外はもとより世界各国へ情報発信していくことも市の責務」(四日市市)は県、市ともに決意の表明だけになっているということだろう

▼もとの15%自体、石油コンビナート企業群の多くが達成していない。新規や改築の際義務づけられるが、大規模な装置産業のため緑地の余地を確保できない。老朽化しても使い続けるしかないというのが企業の論理で、それでは都市間競争に負けるし、優れた環境技術も活用できない。税収も落ちるのでここは一番、規定を緩和して設備投資をしやすくし、少しでも緑地を広げてもらい、別の基金でコンビナート周辺の緑地化を進めるのが得策、というのが市の論理だ

▼もっとものようだが、惜しむらくは、15%に緩和した平成15年の理屈がまた繰り返されている気がすることだ。この間、霞ケ浦緑地を周辺緑地に繰り入れる特例などで緑地化率をあげたが、小手先に終わり、周辺緑化も進んでいない

▼結局絵に描いた餅のまままた5%緩和するのだから企業任せのまま。「緑化率が市に不利益を与えている具体例は」「都市間競争に負けた事例はあるのか」などの市民の問いに答えられていない

▼とりあえず様子をという出たとこ勝負でもあるまいが―。