2020年2月12日(水)

▼統合型リゾート施設(IR)めぐる汚職事件で起訴された秋元司衆議院議員が、否認事件としては異例の保釈を東京地裁に認められた。検察が不服として準抗告したのは当然。検事総長に、これも異例の定年延長が認められて官邸の意中の人物が就く見通し。すんなり保釈を受け入れては、早くも検察は官邸の軍門に下ったかと痛くないハラを探られることにもなろう

▼どこで何が、どう絡んでいるか、「桜を見る会」で、国の最高機構が伏魔殿に見えてきた。定年延長してポストが空くまで待機させるという手法そのものは、県でも鈴木県政になってお目見えした。それまでは余人をもって代え難しを名分に現職を延長させてきたが、渡邉信一郎氏が2年延長になったのは副知事含みと言われた

▼めでたく副知事に就任して62歳。その前に、鈴木英敬知事はすでに外郭団体2つのトップを歴任したOBの石垣英一氏を副知事にする異例の人事を行っている。こちらは就任時65歳。特別職とはいえ、実質職員トップ格だった副知事ポストを、異例続きの人事で一気に高齢化させた

▼人事はトップのポストが空いてこそ円滑に回る。長老2人がでんと居座っては部長級人事が停滞し、矢継ぎ早の定年延長策で停滞は隅々へと広がることは想像に難くない

▼本紙の県人事予測は、特別職の四港副管理者ポストに土地開発公社理事長や四日市港国際物流センター専務に昨年天下ったばかりのOBを充てていた。先輩を越えるのを控える伝統は女性登用、イクメン奨励の鈴木県政の中でむしろ勢いを増しているのかもしれない。